「驚異の成婚率」と口コミで話題に。クリスチャンのための結婚相談所とは/クリスチャン結婚支援ミニストリー「リベカ」代表・中西じゅん子さん(前編)

撮影:市川五月(Hajime no Ai)
撮影:市川五月(Hajime no Ai)

結婚を意識しているクリスチャンの中には、同じ信仰を持つパートナーがほしいと願う人が少なくありません。一方で、そもそもクリスチャン人口が少ない日本では出会いが少なく、諦めてしまう人もいるのだとか。
「クリスチャン結婚支援ミニストリー(※) リベカ」(以下、リベカ)は、そんなクリスチャンを応援する結婚相談所。2017年の創業より約7年間で262名の成婚者を見送ってきたといいます。(2024/10/11現在)今回はリベカの代表・中西じゅん子さんに創業の経緯やリベカの仕組みについて伺いました。

※ミニストリー…教会では主に、教会や信徒が聖書のメッセージや信仰について広く伝えるための活動全般を指します

――中西さんのクリスチャンとしてのご経歴から教えてください。
岩手県の牧師家庭に生まれました。受洗したのは中学1年のクリスマスです。
高校卒業後、東京基督教大学(TCU)で神学を学び、卒業後は子どもたちに聖書の教えを伝える児童伝道に携わっていました。
その後、研修のために1年間奉仕(※)していた教会で主人と出会い、現在は金沢で家族と共に暮らしています。

※奉仕……キリスト教では、神様や他者のために献身することを「奉仕」と呼びます

――クリスチャンホームで育った方からはよく、思春期や部活が忙しかったり、友達と遊べなかったりなどの理由で一時的に離れてしまうというお話を聞くのですが、中西さんはいかがでしたか?

「もしも聖書が本物じゃなかったら離れてやるんだ」みたいな気持ちはあったかもしれません。(笑)
“親の信仰”が“自分自身への信仰”に変わった大きなきっかけのひとつに、高校生の時に、社会の授業で先生が言った「キリスト教は数ある宗教のひとつ」という言葉がありました。
当時の私はそれを聴いて、ひどく衝撃を受けてしまって……。その時、もしも今自分が死んだらどうなるんだろうとか、もしかしたら仏教や別の宗教が真実かもしれない、神様を信じなくても他にも幸せな道はあるんじゃないか――と、立ち止まって考える機会が与えられました。
もしも聖書がすべて嘘だとしたら、人生に意味はなくなってしまうし、すべて虚しくなる。だから神様なしの人生はありえないんだ、と確信を得てからはブレずに信仰を持ち続けています。

――改めて、「リベカ」の活動を始めた経緯について教えてください。

2015年に地元・金沢のいくつかの教会の有志で声をかけ合って、クリスチャン同士の結婚を応援する働きが始まりました。
ただ、北陸3県で協力し合って婚活イベントを行っても、すぐに頭打ちになってしまって。もっと視野を広げて、全国的に働きを広げる必要があると感じるようになりました。
その頃、地元で「紹介者がいない」と判断した場合、東京のクリスチャン結婚相談所を紹介していたのですが、そこで早く結婚が決まった例があり、“クリスチャンの結婚相談所”のニーズの高さを実感し、金沢でも同じことができないかと思うようになったのです。
スタッフ間でも方針や考え方が異なり、行き詰まりを感じ始めていたことや、牧師を引退した父から「もう自分にはお世話ができないから、心にかけている人を頼む」と言われたことも本格的に始めようと思ったきっかけになりました。

撮影:市川五月(Hajime no Ai)

――活動される中で、「結婚したいのにできない」というクリスチャンが多いことを実感していたのでしょうか。

そうですね。まず、ご相談いただく方の多くが「出会いがない」と言います。
同じ教会に世代が近いシングルの人がいても、“幼なじみ”としてしか見られないという方もいます。

――そもそもクリスチャンが少ない日本で、エリアを絞って探すとなると、確かに限界があるだろうなと感じます。

そうなんです。2、3人ご紹介したらもう候補がいなくなってしまったり、婚活イベントで顔を合わせるのもいつものメンバーばかり。
そうなると、期待感もなくなってしまいますよね。

――そうした状況が続くと、とくに女性は自分に自信を失ってしまうのでは……。
クリスチャンであるかどうかに関わらず、周りのお友達が続けて結婚したりすると、余計に焦りや苦しみが増しますね。

本当にその通りで、「自分に魅力がないから」とか、「クリスチャンだから結婚できないんだ」と落ち込まれる方がたくさんいて……。中には涙を流される方もいらっしゃいました。
でも、教会では「結婚するなら、クリスチャンを選びなさい」と教えられます。
どうしてクリスチャンにこだわらなくてはいけないのか、クリスチャンホームを築く良さがわからない、毎日祈っているのに、なぜ結婚できないのだろうと、信仰を保てなくなるほど深刻な悩みを抱えた方をたくさん見てきました。

――現在は、全国に活動が広げられていますね。

はい。金沢以外にも東京や岡山など全国各地にスタッフがおりまして、対面型の婚活イベントなどを開催しています。
また、セミナーや面談はオンラインでもできますので、リベカの拠点がないエリアの方にもご利用いただいています。

――コロナ以降、オンラインでの面談やミーティングが当たり前になり、やりやすくなったのでは?

実は、私たちはコロナ以前からオンラインを導入していたんです。
そのため、コロナ禍で様々な事業やイベントがストップしていた時期も、私たちは問題なく活動を続けることができました。

――そうだったんですね。
利用される方の年代や、お住まいの地域に特徴はありますか?

お問い合わせをいただく年齢層は20〜80代と幅広いのですが、最も多いのは30~40代ですね。女性の割合が高く、男性が入会してくると動きが活発になります。
地域としては関東が最も多く、次に西日本、東日本が続きます。多くの方はネット検索でたどり着くか、成婚者の口コミから知ってくださる方も多いようです。

――まさに私も友人から「いいらしいよ!」という口コミでリベカを知りました。(笑)

そうでしたか。(笑)
私たちのところに届く声は「いろいろな所でリベカさんの噂を聞いています!」というようなものが多いので、実際はどんなお話が流れているのかは把握してはいないのですが、ありがたいですね。

――改めて、リベカの仕組みや入会の流れについて教えてください。
全国にたくさんいる会員の方を、どのようにマッチングされているのでしょうか?

基本的なことですが、物理的に会いやすい距離であることや、年齢が近いことなどを考慮しています。
女性にとっては、里帰りしやすい距離かどうかを加味することも。
また、中には特定の教団、教派に対して抵抗感を抱く方もいらっしゃいますので、信仰のカラーも意識しています。

【リベカの仕組み】

――「信仰のカラー」は、クリスチャンならではの条件ですね。
細やかなやりとりも多く、心を砕くお仕事だと思いますが、大変な点はありますか?

紹介したお相手が「好みと違う」とか、「なぜこの人を紹介したんだ」とクレームをいただくことがあります。
私たちとしては、その時のメンバーの中から導かれてご紹介しているので、好みにぴったりの人ばかりをご紹介できるわけではないのですが…。

――お互いに「初めから好みだった!」というカップルばかりではないのでは、と思います。(笑)少しずつ相手を知る中で関係を築いていくものですよね。

初婚の方の中には、そういうことがわからず、「結婚はすごく好きな人とするべきだ」という考えの方もいらっしゃるんですね。
そうして理想ばかり追い求めては「これは違う、あれも違う」と同じ所をぐるぐるしてしまいます。
そのため、結婚セミナーを通して、結婚関係のあり方や、聖書に基づいた結婚とはどんなものかなど、学びの機会を設けています。

――成婚までには、皆さんたくさんの方とお見合いされるんでしょうか?

個人差はありますが、一つひとつの出会いに対して、「神様に与えられた出会いだ」と確信をもって受け入れられる方は、お話が進むのが早い傾向があります。
逆に、自分の理想に当てはまっているかどうかで判断されるタイプの方は、何十人の方とお見合いをしても一向に決まりません。
これはクリスチャンであるかどうかにかかわらず、どの結婚相談所でも同じだと思います。

――事前に伺ったお話では、離婚歴がある方からのお問合せもあるとのことでした。

はい。再婚希望者もいらっしゃいます。そういった場合は、同じような経歴の方をマッチングするケースが多いですね。
同じ痛みを共感できるということもありますが、「次こそは 幸せな家庭を築きたい」と、結婚に対する思い入れも深いように感じます。
一度、結婚生活を経験しているからこそ、初婚の方よりもパートナーの存在を強く求めている方が多いかもしれません。

――なるほど、“本気度”が違うというか…。わかるような気がします。

後編に続く

クリスチャン結婚支援ミニストリー「リベカ」のHP




KASAI MINORI

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主にカレーを食べています。

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