小学5~6年生の間 私は、いじめられっ子でした。
今と比べると、環境も質も違っているでしょう。
私の場合、3人組の女の子に ほとんど絶えず付きまとわれ 聞こえるように悪口をいわれたり、
休み時間には強制的にドッジボールをさせられボールぶつけられた
私は、とっても運動神経が鈍かったので・・。
先生も知っていましたが 目の前で助けてもらったことはなく、
中学生の3年間 その子たちと同じクラスにならないように配慮していてくれたよう
(私の地域では、小学生はそのまま同じ中学校に進学します。)
なによりの救いは、他のクラスメートは 誰もいじめに加わらなかったことと
決して孤立することがなかったことです。
一番の仲良しの子は、すぐ近くで悪口を言われていても 聞こえないふりをしてそばにいてくれました。
ある時、一人で 何日も何日も どうしていじめられるのか 考え続けたことがありました。
私は、何か そんなに悪い事をしているのかなあ・・・・?
だったら、直接 正々堂々と教えてくれればいいのに・・・。
3人で付きまとうなんて・・・。
そして、いじめる子たちは 勇気がないんだ!!と思い至りました。
正解ではないかもしれませんが、気持ちが少し楽になったのを覚え
大人なら、すぐに思いつくことも 子どもの頭では、なかなかたどりつけないものです。
‟助けを求めて“ という言葉をよく目にしますが、これはかなり難しいことです。
いじめられているという状況になると、我慢しなければならなくな
貝のように殻を閉じて自分にこもろうとしてしまうことが多いと思
まして、家族に打ち明けることは 子どもにとって恐ろしいことではないでしょうか?
私は、両親には 絶対言うことは出来ませんでした。
両親は 私を大切に育ててくれました。
小さなことでも私が何か出来ると褒めてくれ、笑顔だと一緒に喜ん
なのに・・・今、悪口を言われている・・・。
こんなみじめな子にしか 育つことが出来なかった・・・。
お父さんとお母さんは、どんなに がっかりするだろうか・・。
そう思うと申し訳ない気持ちでいっぱいになりました。
知られてはいけない事だと思いました。
40年近く前のことになり、多くの事を忘れてしまっていますが
いじめられたことで泣いたり、涙ながらに打ち明けた記憶はありま
でも、鮮明に覚えている場面があります。
私の学校には、給食があり 順番に係が回ってきます。
その時、私は みそ汁やシチュー等の 大きなおかずの係でした。
重くて熱いおかずの入った 金属製のバケツのような容器の持ち手を
二人で両側から持ち、階段や長い廊下をこぼさないように歩かなけ
皆の嫌がる ハズレの係でした。
ある日、私とペアになっていた女の子を いじめっ子たちが連れ去ってしまいました。
仕方なく 一人で持ってみると、熱い容器が傾き 半ズボンを履いていた素肌の足にぴったりくっついてしまいます。
さらに 中の汁がバチャバチャゆれ こぼれてしまいました。
と・・・
誰かが たっと走ってくる気配があって、容器の持ち手の片側をぐっと持ち
果物係の男の子でした。
いつもと同じように、ちょっとだらしなく鼻をすすりながら でも ほんのちょっと照れ臭そうに
「僕、今日 果物ないから」
とたんに、涙があふれてきてしまいました。
こぼれないように、みられないように、下をむいてこらえるのに精いっぱいで
何も 言葉がでてきませんでした。
「わたしは決してあなたを離れず、また、あなたを捨てない」・・聖書・・
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