大切な記念日を、色とりどりのお花で彩りたい。フラワーデザイナー・脇田るみこさん

 

――どんな活動をされていますか?

フラワーデザイナーです。 オンラインショップ「のえる」では、プリザーブドフラワーやドライフラワー、アーティフィシャルフラワー(生花をリアルに再現した造花)のアレンジメントなどを販売しています。 コロナ禍になる前は、AEAJ(公益財団法人日本アロマ環境協会)アロマテラピーインストラクター・アロマテラピーアドバイザー・環境カオリスタとして、ワークショップを開催したりもしていました。

――環境カオリスタとは、具体的にどんな活動をされているのでしょうか?

“環境カオリスタ”として対外的に活動しているわけではなく、クリエイターとしてSDGsを意識した商品を製作する上で、環境カオリスタ資格取得の際に学んだことが役立っています。 具体的な商品を挙げると、クリスマスの時期に販売している「ミツロウラップ」です。 ミツロウラップはミツロウというミツバチが体から分泌する天然のロウ(ワックス)成分で、蜂の巣を作るための材料となる物質をコットンに染み込ませたものです。 中世以降、修道院ではロウソクを作るために養蜂が行われ、それでできたのが蜜蝋キャンドルで、現在でも祈りの場で使用されているんですよ。 ミツロウラップは、抗菌作用と保湿効果があるとされ、野菜や果物に巻いて保管したり、食器のフタとして々使用できます。

受注制作のプリザーブドフラワーアレンジメントは4000円~

――脇田さんはいわゆるクリスチャンホームのご出身なんですか?

今でこそ家族もクリスチャンですが、実は家族の中で私が初めに洗礼を受けたんですよ。 プロテスタントのミッションスクールに通っていたこともあり、学生時代から友人知人、お世話になった先生方にクリスチャンが多かったので教会へ行くことはごく自然なことと思っていました。 社会人になって、導かれた教会へ初めて行ったときには、懐かしい故郷へ帰ってきたという感覚を抱きました。

――そうだったんですね。「のえる」のHPやInstagramで作品を拝見したのですが、とても素敵でした。ずっとお花の仕事に携わっているのですか?

ありがとうございます。 アロマセラピーインストラクターの資格を取ったのは47歳のときです。 出産してからしばらくは専業主婦だったのですが、アロマテラピーを通して、自分自身やこども・家族の心身のケアや健康管理やサポートをしたいと思い、アロマテラピーの学びを始めました。 資格取得後はボディケア・ハンドケア・フットケアの仕方、親子向けのアロマクラフト(ハンドクリーム・石鹸・虫よけスプレー・アロマワックスサシェ・アロマキャンドル等)講座を開いたりしていたのですが、コロナ禍になり、対面での活動ができなくなってしまったので、これは何か学べるよいチャンスでは!と思い、前々から興味のあった、プリザーブドフラワーデザイナーと、アートフラワーデザイナーの資格を取得しました。

――大人になってから精力的に勉強されたんですね!

お花が好きとか、勉強が好きということよりも、じっとしていられない性格なんだと思います(笑)。

――そうなんですね(笑)。どんなお花の注文が多いですか?

結婚式や誕生日、受洗などのお祝いや、ミッションスクールの卒業記念品、葬儀の祭壇に飾るお花など、用途はさまざまですが、お客様の8割以上がクリスチャンだったり、教会やミッションスクールなどキリスト教関係の団体の方です。 聖句入りのプリザーブドフラワーボックスは、銀座教文館4Fの「エインカレム」でも販売させていただいています。 また、インターネットで“キリスト教 フラワーアレンジメント”などのキーワードで検索してたどり着いてくださっている方が多いようで、ありがたいですね。

「聖句入りプリザーブドフラワーBOX」18000円は名入れも可能

――同じお花を贈るにしても、お花に込めたメッセージがわかる方にお願いしたいと思う方が多いのではないでしょうか。 アレンジメントのデザインはどのように決めるのでしょう?

お贈りする方の年齢やお花の色などを伺いながら、お客様と一緒にイメージを作り上げ、デザインをご確認いただいてから実際に制作するのが通常の流れです。 フラワーアレンジメントは安価なものではありまんせよね。長い期間楽しんでもらうことを目的にプリザーブドフラワーやアーティフィシャルフラワーを選ばれていると思いますので、用途、贈る相手のお好みの色やご年齢など丁寧にヒアリングをしてから、仕上がりのイメージのデザインをしています。 基本的には受注生産で、私が一人で作っているので一度にたくさんの注文を受けることは難しいのですが、特別な日に大切な方にお贈りするお花ですから、一つひとつ気持ちを込めてお作りしています。

――お仕事のやりがいを感じる瞬間はありますか?

お届けしたお客様から「私自身も欲しくなりました」とおっしゃっていただいたり、「(お花を贈った方が)感激されていました」というお声をいただいたりする瞬間は、本当に嬉しいですね。 思うように制作できないこともあるのですが、そんなときは「イエス様だったらどうされるだろう。どっちの色を選ばれるかしら…」と思い浮かべ、祈りながら作っています。 だからアレンジメントが完成した瞬間は、感謝の気持ちでいっぱいになります。

――素敵ですね。脇田さんが大切にされている聖書の言葉はありますか?

「見よ、わたしはあなたと共にいる。あなたがどこへ行っても、わたしはあなたを守り、必ずこの地に連れ帰る。わたしは、あなたに約束したことを果たすまで決して見捨てない」 (創世記28:15)

この聖句は、私の母教会の礼拝プログラムの最後の「祝福と派遣」のことばです。何かあるたびにこの御言葉が私に勇気とパワーを与えてくれます。

――「祝福と派遣」のことばについて、具体的に教えてください。

「祝福と派遣」とは、礼拝出席者へ向けて神の祝福を祈ることです。 主に、プロテスタント教会の礼拝プログラムでは最後に牧師が「祝祷・祝福・派遣」の祈りをします。 またカトリック教会のミサでは「閉祭 司祭の派遣のことば」をいただき、ミサの参加者が「神に感謝」といって応答します。 どちらも集ってきた者たちを、新しい命を授かった者として神が世へ送り出し、派遣されることをいいます。

以前手がけた、クリスマス礼拝用アドベントクランツ(キリストの誕生を待ちわびるアドベントに灯すキャンドル)

――ようやくコロナ禍が落ち着いてきましたが、今後やってみたいことなどはありますか?

幼稚園・学校・教会学校・施設などでのワークショップ再開に向けて、参加する方が、美しくてかわいいお花に触れ、ホットとする香りを嗅ぐことで笑顔になってもらえたり、お子さんを育てている方たちの息抜きや、みなさんの楽しいコミュニケーションの場になるようなクラスを企画しています。

――素敵なお話をありがとうございました。

キリスト教グッズとお花のお店「のえる」




KASAI MINORI

KASAI MINORI

主にカレーを食べています。

関連記事