アメリカから日本の漫画家を目指すルーカスさん、「日本は描きたいものにあふれている!」

ーどんな絵を描いていますか?

デジタルと手描きの水彩画を半々ぐらいで描いています。題材はすべてオリジナルで、自分で考えた人物のキャラクターや風景などが多いです。特に懐かしい風景が好きで、アメリカ・日本を問わず子供のころからずっとあるような場所や、大切にされ続けている風景を見るとホッとします。そういう絵に描くことで見る人にもその気持ちを感じてほしいと思っています。
また、直接的に聖書やキリスト教関連の絵は描きませんが、クリスチャンの価値観や信仰を感じられるような絵を目指しています。

ー日本に住んだことがあったんですよね?

はい。2017年に、福岡の大学で5か月日本語の勉強をし、その後東京で2ヶ月半CBF(Cooperative Baptist Fellowship)という宣教団体でインターンシップをしました。日本のマンガ(ナルトやワンピース)や歌は知っていましたが、日本語はほとんど話せない状態で来日しました。留学中は授業で日本語を学びましたが、あまり語学の進歩がないままでした。その後始まったインターンシップでは、教会や幼稚園で働いたのですが教会の方々や幼稚園のスタッフが本当に親切だったので、日本語を少しづつ話せるようになってきました。

ーそれが初めての来日だったそうですが、滞在後に感じたことはありますか?

自分が描くもの、感性に自信が持てるようになりました。もともとアメリカで、日本のマンガが大好きでたくさん描いていましたが、学校の美術の先生には「君は日本人じゃないし、キャリアのためにはその画風ではなく、ピクサーのようなスタイルの方がいいんじゃないか。」と言われたこともあり、この画風のままでは無理なんじゃないかとあきらめた気持ちでいました。言われたように、マンガから少し路線を変えた絵も描きましたが、楽しさを感じられませんでした。でも日本に来た時、外に出るたび新しい面白いものに出会え、「この国には描きたいものにあふれている!」と気づきました。その時、たとえキャリアやお金にならなくても、この感動をやっぱりマンガで描いていきたい!と決心しました。

ー絵を描くことの魅力はなんですか?

何を描くにしても最初のスケッチの段階が一番好きです。人物を描くとしたら、スケッチし始める時が一番そのキャラクターの気持ちを想像できるからです。
また、過去に憂鬱な気持ちが続いた時期があり、なかなか人に言えませんでした。自分だけ時間が止まってしまったような辛い気持ちでいっぱいになった時、絵を描くことで気持ちを整え、浄化することができました。また、同じような辛い気持ちの人がいるなら、作品を見て「一人じゃない」と思ってもらえるように描いています。

ー今後の夢はありますか?

今はまず日本に住んで日本で仕事をしたいという思いが強いです。そしてゆくゆくは日本で漫画家になりたいので、そのために日本語とイラストが上達するようがんばっています。

ー好きなみ言葉を教えてください。

サムエル記上15:22(サムエルは言った。「主が喜ばれるのは焼き尽くす献げ物やいけにえであろうか。むしろ、主の御声に聞き従うことではないか。見よ、聞き従うことはいけにえにまさり耳を傾けることは雄羊の脂肪にまさる。)です。
信仰生活で苦しかったときに祖父がこのみ言葉を贈ってくれました。その時の僕は自分の力だけで自分の道を切り開こうとしていました。「これこそ神が僕に望むべき道だ」と信じてしまっていたからこそ、何も願うようには進まなかったのです。自分で天地を動かすことができる、というくらいの気でいましたが、そんなことは人間の力では不可能ですよね、神の力だけですから。
神さまは神さまのご計画のためならばそれほどのことまでして下さるから、このみ言葉は、僕が自分ですべてをやろうとする必要がないことを思い出させてくれます。




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