教会をもっと”楽しい”場所へ!/「語り場スナック・迷える子羊」主宰・大石朋子さん

 

――大石さんの活動内容について教えてください。

お茶と雑談と自由なアイデアで紙モノづくりとラッピングを楽しむワークショップ「ラッピングカフェ」を7年間主宰してきました。

――ラッピングカフェを始めるきっかけはなんだったのでしょう?

幼少期から紙やリボンが好きで 短大生のときに百貨店でバレンタインチョコレートをラッピングするアルバイトをしたら楽しくて これはもう絶対に天職だ!いつか仕事にしたいと思っていました。
その後会社員時代にラッピングを教える先生との出会いをきっかけに結婚後、スクールで基礎から学び社宅で人を招いて教えるようになったのがはじまりです。 カルチャーセンターや地域コミュニティ、デパートの研修などでも講座を開いていました。 子どもが生まれてからはお休みしていたのですが、子育てがひと段落したのでまた何かやりたいな、と思っていたときに通っていた教会の一階を使っていいとのお話しをいただいたことで、ずっと温めていた「ラッピングカフェ」を始めることになりました。

でも年内でいったん「ラッピングカフェ」を終了して2024年1月から新しいことを始めようと考えているんです。

――7年も続いたのにやめてしまうんですか?

ラッピングも好きなんですが、私はおしゃべりが大好きなんですね。
誰とでも打ちとけられるというか…会社員時代、庶務で各部署を渡り歩いては、人と人を結ぶ潤滑油的存在で、新入社員から定年間際の方まで休憩時間の“お話し相手”がほぼメインの業務でした(笑)

そもそも「ラッピングカフェ」の目的にも、クリスチャンではない方が教会に対して感じているハードルを下げられたらという思いがありました。
ここ数年、参加者の皆さんが年齢を重ね、生活環境にさまざまな変化がある中で、ものづくりをしているよりも“語る”時間が長くなっていったんですね。
教会に通っている方の中にも、たくさんの人が集まる礼拝や祈祷会のような場では、プライベートなことは話しづらいと感じている方もたくさんいらっしゃいます。
「ラッピングカフェ」なら少人数だし、みんなでフラットにおしゃべりしているから、ぽろっと本音が語れたりもして。

7年間に渡る活動を通じて感じたのは、ちょっとした微笑みや挨拶、雑談が、生きるエネルギーになるということ。
話したい方がこれほど多いのだったら、もっと教会が地域に開かれた場所になるために、名前を変えた方がいいかなと思いました。

――ラッピングは、人と人がつながるためのツールだったんですね。

そうですね。もしかしたら、誰かの心に温かいものを届けることができるように、神様が「ラッピング」というツールを与えてくださったのかもしれません。

――ところで、2024年からはどんなことを始められるのでしょう?

語り場スナック「迷える子羊」として特に制限は設けずに誰でも気軽にふらっとやってきて自由におしゃべりできる場空間を開くことになりました。 「スナック」と名付けたのは、教会らしくないネーミングの方が目を引くのではと思って。

“スナック”といってもお酒を出すわけではなく、私がいわゆる昭和のスナックのママのような服装をするわけではありません。

――『スナック キズツキ』の舞台が、まさにお酒がないスナックでした。
教会でカフェを開かれる方は比較的よくいらっしゃいますが、スナックとは面白いアイデアですね。

私が通っている教会の牧師がとてもオープンでアイデアに溢れている方で、毎週教会の掲示板に貼り出す礼拝のメッセージもひと捻り加えていて。
あえて聖書とは関係のないことが書かれたりしていて、それだけを見に来る方もいらっしゃるくらいなんですよ。
どうしてそうしているのかと聞いたら「まずは教会の前に足を止めてもらうだけでいい。いつかどこかの教会に行ってみようかなと思ったときに、この教会を選んでもらえたら」と話していました。
その牧師が、スナックのアイデアを受け入れてくれたんです。

――素敵な教会ですね。
本来、教会は地域に開かれた場所であってほしいと思いますし、何気ないおしゃべりに元気をもらうという人も多いと思います。

かつてはちょっと強引に教会に誘っていたこともあるんですが、そのやり方は違ったなと反省していて…。
時代も違いますし、年齢や様々な経験を重ねた今は、私自身の在り方、その場所で過ごす時間を通して「教会っていいな」と感じてもらえるのが、一番いいのかなと思っています。

「教会でスナック!?」と賛否両論あるとは思いますが、「語り場スナック・迷える子羊」を通してひとりでも教会や神様と繋がってくださったら嬉しいです。

例えば、ご家族を亡くされたり、大きな病気が見つかったり、人生に大きな出来事があったとき、“ちょっと知ってる、知らない人”に話すと気持ちがラクになることってあると思うんです。
来てくださった方が、ご自身の生きた証や、自分自身の人生について語りたくなるような場所になることが理想ですね。

――素敵なお話をありがとうございました。

大石朋子さんのInstagram:@wrappingcafe2
「語り場スナック・迷える子羊」は日本ナザレン教団 青葉台キリスト教会で2024年1月より開催します。




KASAI MINORI

KASAI MINORI

主にカレーを食べています。

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