“聖書をもっと身近に、かっこよく。”をコンセプトに、聖書に書かれたメッセージをデザインしたTシャツやステッカーなどを販売している「Gloood(グルード)」。前編では代表の川田 潤(かわた・じゅん)さんにブランドを立ち上げた背景について伺います。
――川田さんは、いわゆるクリスチャンホームで生まれ育ったのでしょうか?
そうです。もともとは叔父が牧会する教会に通っていたのですが、父が牧師になりまして、現在は父が牧会している教会のサポートなども行っています。
――どんな子ども時代を過ごされたのでしょう。
自分に自信がない子どもでしたね。よくできるタイプの姉に対して、私は不器用なところがあって。自分のことはあまり好きになれませんでした。
――そうだったんですね。
中学、高校と自己が確立されていくにつれて、自分自身が嫌で嫌で仕方がない一方で、こんな自分を変えたいという思いが強くなっていって。
「もしも神様が本当にいるんだったら、私にも働いてください」と祈るようになりました。この頃に、それまで知識として知っていた“神様”の存在を、祈りを通して体感したというか……。祈りの中で神様に「あなたは、本当は何がしたいの?」「私はあなたのことをいつも見ているよ」と語られたような感覚があったんです。そのメッセージには、不思議と安心感があり、今まで自信が持てなくてできなかったこと、そもそもやろうとさえしなかったことにも挑戦してみようという勇気をもらいました。実際にやってみたらうまくできたこともあり、一つひとつ神様に背中を押されながら信仰を強め、前に進んできました。
クリスチャンとしてのバックグラウンドがない人が信仰を持つとき、イエス様を知るときには、劇的な変化や体験をされることが多いと思うのですが、私のようないわゆる“2世”は聖書や教会があまりにも身近にありすぎて、そうした経験がない人が多いんですね。私の場合は「神様は本当にいるのか?」という疑問から、少しずつ信仰を育んでいった感じです。
――「Gloood」としての活動を始められたのはいつ頃ですか?
「Gloood」としてのスタートは2011年です。以前からものづくりには興味があって、建築やデザインの勉強をしていた大学生時代に聖書の言葉をプリントしたゴスペルTシャツを作ったことがありました。
その後、WEBデザイナーを経てアパレル関連の仕事をするようになったのをきっかけに、もう一度ゴスペルTシャツを作ってみたいなとブランドを立ち上げました。
――なぜ、Tシャツだったのでしょう?
Tシャツって、その人のアイデンティティや価値観を表すツールになっていると思うんですね。例えば、音楽が好きな人だったら好きなバンドのTシャツを着たり、大好きなキャラクターのTシャツを着たり、シンプルなスタイルを好む人であれば、ごくシンプルなデザイン、無地のものを選んだり。幼い子どもから、おじいちゃん、おばあちゃんまで、その人の好きなもの、個性が表れている。そんな中で、クリスチャンにとって聖書のメッセージを身に着けることは、アイデンティティを示す手段になるのでは、と考えました。
ファッションとしても受け入れられるデザインの中に、聖書に書かれているメッセージや、ストーリーを織り交ぜることで、誰かに「そのデザインにはどんな意味があるの?」と聞かれた時に会話が生まれたり、自分の信仰を伝えるきっかけになったら素敵だなと思ったんです。
――確かに、「その服素敵だね!」と会話が生まれることはよくありますね。
そうですよね。収穫を意味する「harvest」をモチーフにデザインしたときは、自分で菜園を作っている、クリスチャンではない友人が気に入って買ってくれたこともありました。
――ところで、ブランド名にはどんな由来が?
神の栄光を意味する「Glory of God」のスペルから取った造語です。このブランド、そして自分自身が神様からいただいた賜物を、神様の栄光を表すために活用したいという想いと、GlooodのTシャツを着てくださる方々にも、神様の栄光を表してほしいという2つの願いを込めて付けました。
――だから「o」が多かったんですね。(笑)
ここまで活動されてきた中で大変だったことや、印象に残っていることはありますか?
大変かどうかと聞かれたら、ずっと大変かもしれません。(苦笑)
爆発的に売れるような商材ではないので、チームウェアなど一般の方からデザインの依頼を受けたりもしています。
印象的なエピソードとしては、アメリカやアフリカなど、海外からもお問い合わせをいただくんです。ひょっとしたら、海外マーケットにも可能性があるのかな、なんて思うこともあります。
――グローバルな視点で「おしゃれ」「素敵」だと受け入れられている!と思うと嬉しくなりますね。
私はクリスチャンホームで育っていないせいか、宗教観が強く主張しているデザインのものを身につけることにちょっと抵抗があって……。
わかります。ブランドを立ち上げた頃は、私自身もいいな、欲しいなと思えるものがほとんどなくて、だからこそ違う視点から、他にはないものを作ろうと思っていました。
最近はアパレルをはじめ、現代に暮らす人を意識しながら新しいことに取り組まれる若いクリスチャンの方が増えてきて、嬉しいですね。
――以前、たまものクラブでご紹介した「I am」の立ち上げにも関わったと聞きました。
はい。Glooodが展開しているデザインは、どちらかというと男性的だと思うのですが、お客様の中には女性の方も多いんですね。
そんな背景もあり、女性に向けたものというか、また違う視点のブランドもやってみたいと思って彼らに声をかけたのが「I am」の始まりでした。ブランドのコンセプトや世界観なども2人に考えてもらい、時にはアドバイスもしながらカタチにしていきました。
後編に続く。
GlooodのHP https://gloood.com/