教会学校で出会った二人が陶器で作るアクセサリー、「AYURI」

陶芸アクセサリー 「AYURI」 

信楽の陶土の素材感をいかした作品

 

陶器で作ったアクセサリーのブランドAYURIを立ち上げた加藤鮎子さんと今井ゆりさんにお話を伺いました。二人は子供のころからのご友人で、加藤さんは武蔵野大学のデザイン専攻、今井さんは東京芸術大学の工芸科を卒業し、共に美術の道に進まれています。

―どんな活動をされていますか?

信楽陶土に金彩

今井さん:最初は二人の通っていた常盤台教会のバザーで二人のコラボアクセサリーを販売していました。その後横浜で、ハンドメイドマルシェというクラフトをやっている方たちが自由に作品を出せるところに出展しました。今は私が京都に行ってしまったのでなかなか作れていないのですが、母が教会の方たちとネットで販売できるように立ち上げたオンラインストアで販売しています。

―どんな作品を作っていますか?

今井さん:私はもともと素材感のある作品を作っているのですが、作品の持つ表情があゆさんのファッション性やデザイン性と合わせて全体的に落ち着いたきれいさのある作品です。

加藤さん:まずアイデアスケッチをしてから、ゆりさんが試作を行い、スケッチ通りに行きそうな場合はそのまま完成になります。実際に形にするのはゆりさんなので表現の中で難しいこととか逆にもっとこうしたら素敵になるよっていうアドバイスをもらって完成に向かうという流れです。

アイデアスケッチを元に彩色

今井さんの工房(現在は京都の京北に移転)

今井さん:あゆさんは私の工房の、捨てようと隅に置いてある割れた陶器のかけらさえも見つけて、アクセサリーの素材にしてしまいます。あゆさんがどういうものを面白いと感じてくれるか分からないので私が失敗作だと思っているものも全て見せるようにしています。試作の際は、形をそもそも変えることもありますし、焼く前にかける釉薬の色や前の段階からの作り方を変えることもあります。あと、わざと割ってみて素材感が出て見栄えがよくなることもあります。

―AYURIをやっていて面白いと感じるところはどんなところですか?

加藤さん:陶器を作るのは自分にできない表現なので自分の知らない素材で作品をつくることがすごく刺激になります。でも、素材だけではなく、ゆりさんの作品に対する考え方や作品に込める気持ち、素材と向き合っている感じが素晴らしいと感じて面白いです。

手を動かしつつ、たわいのないおしゃべりも楽しい

今井さん:私もあゆさんの持っているセンスに惹かれています。あゆさんのような個性的なファッション感覚を持っている人は、どんなアクセサリーが欲しいのだろうと思いめぐらすのがすごく勉強になっています。あと、自分の作品は自分の作品であってそのままでは広がることはないのですが、あゆさんが加わるとそれをまた新しい形にできることが楽しいです。展示する場所も私が普段している場所とは異なる場所なので、そういう所で展示できることも楽しみの一つです。

―どんなコンセプトで制作されてますか?

加藤さん:明確な文章があるわけではなくて、今の状態は回数もそんなに多いわけではないので、やっと定まってきたという感じです。実験段階ではあるのですけど。

ラッピング

今井さん:実験的にいろいろやっているということがコンセプトかもしれないです。

加藤さん:お互いを影響しあうのもコンセプトの一つなのかなと思っています。

 

―大切にしているみ言葉はありますか?

加藤さん:正直にいうとこれというものがないなと思いました。幼稚園の時から教会に行っているのですが、聖書を読むとか理解するより先に讃美歌を歌ったりプレゼントをもらったりしたことがしみ込んでいます。ふとした時に教会で色んな人に教わった言葉とかを思い出します。いつも喜んでいなさいとか色んな言葉が断片的に頭の中にあります。あと、ゆりさんと一緒に過ごした時間や、小学4年生の時に教会の方とした交換日記が心に残っています。毎週、主日礼拝で学んだ聖句などを優しくわかるように教えて下さったことに感謝しています。

今井さん:私はまだクリスチャンではなく、教会学校に通っていたということで聖書は読んでいたのですが、人はパンだけで生きるのではなく神の口から出る一つ一つの言葉によるという聖句は全てのことに通じるなと感じています。腑に落ちたというか。自分が迷ったときにどういう風な方向に行くかということについて心の中で働いている気がします。

教会学校の小学校時代の写真、先生のお家で

 




ai

ai

イラストレーターやフォトショップを使ってチラシのデザインやイラストを制作、たまものクラブ会員、ショップ取材、インタビューを担当

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